小さいころの夢はお菓子屋さん!その夢を叶え、多くの生活者にワクワクを届ける商品を日々開発中。多くの人と手を取り合い、社会を良くしていきたいと思いFood Up Island(以下FUI)に参画。毎日のお買い物をもっと楽しいものにするためにはどうしたらいいのか、日々考えているんだとか!今回はそんな服部絵美さんにお話を伺ってきました!
聞き手:FUI事務局 金丸美樹
文:(株) SEE THE SUN インターン 町田彩華
お買い物を通して多くの人に幸せを届けていきたい
小さいころの夢ってありましたか?
中高生の頃から、お菓子の商品開発をしたいと思っていました。教室や部室で、友達とお菓子を分け合って過ごす時間の楽しい印象が強かったので。商品を作りたいなら開発へ、開発であれば勉強は辛いけど理系へ、食品なので農学部かな?と曖昧なイメージながら進んできました。
もうまさに、やりたいものになってるって感じなんですね!入社時の夢ってありましたか?
お菓子の中でもコンビネーションチョコレート(ビスケットなどの具材と合わせたチョコレート菓子)が好きだったので、自分が自分好みのチョココンビに感じる期待感や幸福感を伝えられる商品を早く作り出したいと思っていました。
なるほど。そうやって充実した日々を送っていたと思うんですけれども、これからの夢って何かありますか?
商品を形にして送り出すだけではなく、商品にまつわる原料・製作・こだわりなどのストーリーなども価値に変えていきたいですね。共感や満足感、手にした幸福感とか、モノとサイドストーリーから得られる価値を最大化して届け、受け取る仕組みを作ったり。そしてモノとの出会いの場となる買い物をもっと楽しく、ワクワクするものにしたいですね。
みんなで手を取り合って社会を変えていきたい
FUIに参画されている理由を教えていただけますか?
きっかけは、今まで作っていた「たくさん作ってたくさんお届けする商品」とはまた異なる「新たな技術の価値検証」の取り組みでした。会社の枠を超えて研究者の想いを共有するような集まりには参加したことがなかったので、他社の同じような立場の方たちに共感と刺激を受けました。自社の技術進化とか利益だけでなく、改めて価値の定義を考え直したり、目指したい世の中のかたちを共有したり。会社の枠を超えて思考できることが特別ですね。
それによって服部さん自身が変わったことってありましたか?
参画した当初は、商品とその周辺の領域が活動範囲で、世の中に対してこうしたい、みたいなことは考えられていなかったような気がします。商品の積み上げではなくて、どんな社会を作りたいからのモノづくりを、会社の枠を超えて考え、話すようになったのは変化だと思います。
意外とそういったことを考えたり、発言する機会ってないですよね。
そうですね。あと、学生時代から、社会について学んだり、深く考える機会が少なく、そういうことを考える自分がいることにも気づいていませんでした。お菓子ありきだったので、お菓子で世の中を変えるなんて考えてなかったです。インプットや、他社の方との関わりから影響されて、社会の見方に対する新しい気づきはありましたね。
ありがとうございます。でも、みなさん普段のお仕事もたくさんあってお忙しい中、バランスとりながら参加していらっしゃるじゃないですか。現状に対する影響って何かありましたか?
FUIに入って、半年後に向けた短期の商品開発以外にも「もともと何がしたかったのか」「少し先の社会をより良くするには」とか、そういった話もできるようになった気がしますね。なのでバランスを取っているというよりは、別の仕事にも挑戦できるようになってきた感じだと思います。
なるほど。では、これからFUIでやってみたいこと、期待することはありますか?
今はまだ、ぼんやり夢を描いている段階なので、それを形にするための実行をしていかなきゃいけないですね。せっかくFUIに未来の食卓を描ける各企業の皆さんが集まっているので連携して、実現したい同じ未来に向けての開発を進め、新しい社会を見せられるような場を持てたらいいなと思います。
旅先で感じたキラキラを届け、いつも通りの裏に隠されたワクワクを知ってほしい
最近ワクワクしたことはありますか?
休暇に自然と触れ合いに外出しました。海も森も雄大できれいで、命に満ちていて、人の居場所のほうがちっぽけ。自然のありがたさを感じました。心持ちが違うので、食べ物へのありがたみとか、いつもだったらあまり気に留めないものが価値の高いものに見えて、キラキラ感・ワクワク感を得ました。こんなときめきを、自分が世の中に出すものにも付加できたらなと思いましたね。
おお!素晴らしい!では、日本の食産業界がこうなったらいいなという思いはありますか?
先程の話にもつながりますが、お買い物をもっと楽しくしたいですね。店舗の商品棚は、多少商品が入れ替わっても、いつも通りに感じられるかと思うのですが、その”いつも通り”の裏には、見えない情報が山ほどあって。それらの情報に触れられるだけで、買い物を楽しむポイントが増えるじゃないかなと思います。旅先で買い物するときのような非日常のときめきを、日常でも感じられるように変えていけたらいいなって思います。
裏に隠れている情報を上手く伝えられるようにするのって難しいですよね。
ほんとそうですね。食品は比較的手軽で、消費のサイクルも短いので、出会いの頻度の高いお買い物。毎日出会う食品の買い物で得られるワクワクが高まれば、毎日の充実感も高まるはず。目指すはお客様の気持ちがワッと沸く『幸せな買い物』。原料も材料も作り手のこだわりも価値に変えて、正当に楽しみ切ることは、生産者も消費者もひっくるめた社会の幸せに繋がるのではないかなと思います。
そうですよね。最後に、お客様に伝えたいメッセージはありますか?
お客様に毎日幸せな買い物を楽しんでもらうには、どうコミュニケーションをとったらいいのか、一緒に幸せになる方法を探っていきたいです。子を持つ親として、買い物をしている時のせわしなさも実感しているので、一方的に情報を出して、能動的に受け取って、というのでは難しい。どうやったらこちらの情報を楽しく聞いてもらえるのかっていうことを一緒に考えていきたいですね!
特にお菓子とかは、楽しいと気分がより上がりますもんね。
ですね!あと、未知の発見も楽しい。旅先で食べたことのない珍しい野菜を買うときって楽しくないですか?
わからないことってイライラしちゃうこともありますが、それに対してワクワクできるって素敵ですよね。わからないからこそ「それって面白くない?」っていうのを伝えていくのもすごく意味があることだなと思いますね。 面白いと思った方が人生楽しいよ、みたいな(笑)。
ですね。送り手の心遣いと、受け手の感じ方とがマッチするラインを見極めていきたいところですね。
そうですね! 本日は、貴重なお話をありがとうございました! 引き続きよろしくお願いします。
お話を伺って
自分の周りにはたくさんのワクワクのきっかけがあって、受け取り方次第で楽しみ方がどんどん広がっていくんだ!と気付かされました。服部さんのお話を伺っていると、自然と気持ちが明るくなり、日々のお買い物からもっと色んなものを感じ取ってみたいと思うようになりました。