「サッポロ SORACHI 1984(以下ソラチ)」の開発者。新しいコミュニティを作ることで会社に貢献できるのではと思いFood Up Island(以下FUI)に参画。今の社会はチャレンジすること自体が難しいことも多いが、そんな中でも何か新しいアクションを起こしたいと考えているのだとか!今回はそんな新井健司さんにお話を伺ってきました!
インタビュー:FUI事務局 金丸美樹
文:(株) SEE THE SUN インターン 町田彩華
ビールの研究をしたい
小さいころの夢ってありましたか?
本当に小さいころは考古学者になりたかったんです。好きだった漫画に影響されて憧れていました。
その夢は大学に行くころには変わっていたんですか?
大学受験するころ考え直して、結局やめましたね。それで、近しい分野の中から、農学部の生命科学・バイオテクノロジーに進みました。
なるほど。卒業されて最初に入ったのがサッポロビールさんでしたよね。入社時の夢ってありましたか?
もともとはビールの研究をしたかったんです。すごいビールを作ってやろうというよりは、ビールに関する研究をしたいなと漠然と思っていました。
いろいろな立場になって変化したビールへの想い
入社当時は、新商品開発というより、ビールの本当の知られざる秘密を解明する、みたいな基礎研究に興味をもっていらっしゃったんですか?
そうですね。
実際に入社されてからはどんなことをされていたんですか?
最初は研究所ですね。次が工場で、その後、ドイツに行きました。
どこも楽しかったとは思うんですが、一番楽しかったのはどこですか?
やっぱり工場ですかね。まさにモノを作っている現場なので、”作っている”という実感がすごかったですね。
その後、ドイツにも行かれていろいろ経験されていると思うんですが、入社時の夢から何か変化はありましたか?
変わりましたね。先程も言った通りもともとは基礎研究がやりたかったんですが、研究をしていく中で、工場の方と一緒にプロジェクトを行い、”モノを作ること”に興味が出てきた、という感じでした。
なんかいいですね。そこから今度はマーケティングの部署に行かれてるんですよね?
そうですね。
いろいろな部署を通じて全体を見渡せていらっしゃる中で、こんなことを今後やっていきたいな、と考えていることってありますか?
仕事として海外に行きたいなって思っています。うちの会社はアメリカやベトナムに工場を持ってるんですけど、そこで働いて、今と同じく製造からマーケティングまで一気通貫して旗振りができるような仕事をやりたいなと思っています。
海外に行きたいと思っていらっしゃる理由ってあるんですか?
国内よりもビジョンが大きいですよね。大きなことを仕掛けられそうだなって思います。人も多いし、自分のチャレンジが許容されるのは海外なんじゃないかなって。海外でのマーケティングのやり方とか、受け入れられている商品とか、新しいカテゴリーの立ち上げ方とかを見ているとそう思うので、自分も勝負したいなって思いますね。
スペシャリストが集まる団体だからこそ社会課題に取り組みたい
FUIに参加したいと思った理由って何だったんでしょう?
単純に面白そうだなっていうのと、いろんな人と会えそうだなっていうところですかね。
新井さんってすごくお忙しいじゃないですか。そんな中、続けてくださっている理由って何なんでしょう?
続けている理由は、会社の他のメンバーのためという部分もありますね。FUIにいることで何かあったときに紹介できたり、開催していただいてるセミナーもなかなか他では聞けないものが多いので、会社全体にとって良いことだと思っています。
新井さんが考える外との繋がりを持った方がいい理由って何でしょう?
単純に楽しいってことですね。楽しいっていうのはいろんな見方がありますが、違う会社、部署の人たちと話すと全然違う発想が生まれてくるので、そういう意味の楽しさですね。
今後FUIでやってみたいことってありますか?
FUIってスペシャリストの集まりだと思うんですよ。そのスペシャリストチームだからこそ、何かの課題をちゃんと解決していくっていうのをやっていきたいです。「我々はこんなことができる!」というものを明確に作ってもいいかもしれないですね。
何か国からの課題とか受けられたらすごくいいですよね。日本の課題ってチャレンジする風土がないってことだと思うので、無謀なチャレンジもみんなでやってるんだ、といった意思の表明とか、「今年は〇〇をやりたい!」という宣言をしてみるのもおもしろいかもしれないですね。
そうですね!
ビールを通した人との繋がりにワクワク
最近ワクワクしたことってありますか?
生産者の方に、ホップについて我々の戦略を伝えたときですかね。サッポロビールとしての想いを生産者の方に直接伝える場っていうのはほぼ初めてだったんですよ。自分たちの想いを明確に言う機会がなかったので、そこを伝えたときのみなさんの反応がいいなって思いましたね。
新井さん自身が研究員であり、作る人でもあり、マーケティングをやってる人でもあるからかもしれないですよね。みなさん、どんな反応だったんですか?
「えぇ!」っていう反応もありつつ、人によっては「こんなにも本気なんだ」と驚いてくれたりとか、「すごくいい判断だと思いますよ」と言ってくれたりだとか。今まで止まっていたものが動き始めた感じがしましたね。
ビールというか、ホップとずっと付き合ってるわけですよね。全然、飽きないですか?
飽きないですし、まだ何も成し遂げてないっていう感じがしています。
なんと。。「まだ何も成し遂げてない」だなんて。かっこいいです。。!
でも、ソラチが販売されてもう長いですし、私から見るとすごく成し遂げてるように思えます!
最終的な姿まではまだまだなんですよ。ソラチは国産ホップ100%にするっていうのを目標に掲げているので、その目標からするとまだ全然だなと思いますね。だからソラチを発売したっていうのはスタート地点であって、今はゴールにむけて走っていってるっていう感じなんですよね。
何人も関わる長い旅だから楽しんでいらっしゃるとは思うんですけど、どのようにモチベーションを保たれているんですか?
ちゃんと飲んでくれている人、好きだって言ってくれている人たちとたくさん話すことですかね。この人たちの楽しむ姿を裏切れないし、約束したこと破れない、何か違う方向に行くならちゃんと説明もしなきゃいけないって思うんです。
なるほど。そんな新井さんがビールを提供していて一番喜びを感じる時ってどんな時ですか?
乾杯をしているのを見ることですかね。本当に崩した笑顔を見られるのはビールならではかなと今でも思っています。
これからの未来に賭けてほしい
最後に、食品業界がこうなったらいいな、という思いやメッセージがあれば教えてください!
みんなで課題解決をするようになったらいいなっていうのは常々思いますね。今や、一社で何かできる時代じゃないって言われているんだから、それをみんなでできるようになっていく必要があるんじゃないかなと思いますね。
そうですね。あと、お客さんに対するメッセージはありますか?
ブランドとしては「ワクワクするようなものを提案し続けます」と言っているので、「このブランドの未来にかけてください」って言えるようなモノとかアクションを起こしていきたいなって思います。なので、お客さんにも何かを「買う」という意識ではなくて、「賭ける」「応援」みたいな感覚で商品を手にとってもらえたらいいなと、思います。
そういうのもメッセージも、FUIから発信して「おもしろい!」と感じてもらうことでこ共感につなげていけるといいですよね。
本日は、貴重なお話をありがとうございました! 引き続きよろしくお願いします。
お話を伺って
新井さんのビールに対する熱い思い、ワクワクしながらビールを作られていることがこのインタビューを通してすごく伝わりました!いろいろご経験されてきた新井さんだからこその視点からお話を伺うことができ、食品業界に対するイメージが広がりました。今後のご活躍も楽しみです!(町田彩華)